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2004年8月16日掲載
マイクロソフト初のトラックボール。Microsoft BallPoint Mouseです。
この製品が発売された1991年頃はWindows3.0の普及が始まったばかり。ノートパソコンにはポインティングデバイスは内蔵されておらず、ノートパソコンのキーボード横にクリップのような形で固定するトラックボールが幾つも発売されていました。
そんな中でも、当時で1万円以上と高嶺の花であったこのトラックボールの作りのこだわりを検証してみます。
BallPoint Mouseは、このデスクトップPC向けのスタンドが附属したものと、ノートパソコン用のクリップ型スタンドが附属したものの2種類があったと思います。
ボタンは左右に上下2つずつ計4つ付いています。標準では左側(Microsoftロゴ側)の上のボタンが左クリック、下のボタンが右クリックになっていて、右側のふたつは機能しません。附属ソフトウェアによって、マウスポインタの移動方向と左右のボタンを反転させる設定が可能になっています。左右どちらにも使えるデザイン、こだわってます。
スタンドは本体の溝に挟み込んで固定しています。可動部は自在に方向を変えられます。
スタンドにはMADE IN JAPANの文字があります。スタンドだけでなく本体も日本製です。人件費が高いので今となっては日本製のポインティングデバイスなど無いと言って良いでしょう。
本体からのケーブルにはシリアルのD-Sub9ピンコネクタが付いており、そこからPS/2への変換ケーブルが付いています。変換ケーブルの両端コネクタには必要な4ピンのみが付いています。
D-SubコネクタにはMicrosoftのロゴが付いています。このへんもこだわってますね。
スタンドから外した本体です。そのまま机に置いて使用できるようゴム足が付いています。この足は多少高めに作られているので本体の下にケーブルを通すことができ、レイアウトの自由度を高める工夫がされています。
本体は底面の3つの穴のところで上下のシャーシがネジ止めされています。実はネジはこれだけしか使われていません。
驚異的なのがこの構造です。この小さな本体の中に、高級トラックボールと同じベアリング支持のステンレスシャフト構造が格納されているのです。これによりボールの転がりも快適です。
スイッチも松下製の国産マイクロスイッチです。ぬかりはありません。マイクロスイッチに付いている穴ってこういう取付に使うのかと納得。
ボタンカバー部は上にスライドすると簡単に外せます。フレキシブル基板で繋がった部品は全てはめ込みで取り付けてあります。
ステンレスシャフトを引き出してみます。
回転検知は光学式ではなく、まるいベークライト基板に放射状に付けられたパターンと、ブラシの接触で検知する仕組みです。
もうひとつ時代を感じさせるのがこのダイオード。面実装とはいえ、昔ながらのゲルマニウムダイオードの形が見て取れます。この基板にはアルプス電気のロゴが入っています。
一度はクリーニングのために全分解したことがあるのですが、あまりの細かさに組み立てに苦労したため、今回の分解はここまで。
しかし、時代を超えて作りへのこだわりが充分伝わってくるのは、この製品の出来の良さの証しだと思います。
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